爆発まで残り5分となりました



「……ふぅ」




片手に銀色のフルートを持ち、一呼吸。




フェンス越しに見える情景は、毎日のように変わる。



それを見るのが楽しいし、屋上には誰もいない。






中学はテニスをしていたけれど、体育が苦手だったのが仇となり、結局、やめることになってしまった。




高校生になり吹奏楽部に入って、何とかやっていけている状態。




まあ、体験入部のときに、唯一フルートが吹けただけでも良しとしよう。





足を肩幅ぐらいに開いて、私はフルートを持った。





冷えた銀の笛に、そっと下唇を当てる。



歌口に向かって息を吹き込もうとした、その時だった。