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教室の鍵を取りに行って、教室に入る。




高校一年になって、もう一ヶ月ぐらいが経つのか。月日が経つのは……早いなあ。





八時過ぎになって、ようやくクラスメイトが一人入ってきた。




柚希がこういうときにいないのはちょっぴり悲しい。



今でもメールをマメに送ったりはしているけれど、会える機会がなかなかなくて、しばらく会っていないのが現状だ。





「相変わらず佐山さんは早いな」




そう言って私の席の前にやって来たのは、ほとんど毎日遅刻し、稀に早く学校に来る、変わった男の子の佐藤くんだ。




「あれ?朝練は?」



と、私が訊くと、佐藤くんは「サボってきた」とストレートに答えた。