目が覚めると、見慣れた天井。
太陽の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。
「───ゆ、う……っ」
口から絞り出されたのは、涙声。
何かを言おうとしていたのに、忘れてしまった。一体……何を言おうとしていたんだろう。
理由のない涙が、頬を伝った。
何で泣いてるんだろう。訳がわからない。朝から本当に、不思議な気分だった。
まるで、なにか夢を見て、忘れてしまったような。
机の上には卒業証書と、四つ折りの紙がひとつ。
ああ、そっか……昨日確か、"中学生の頃"のものだったから、懐かしくなって広げてたんだっけ。