「無理矢理にでもしないと、アタシ達は死ぬのよ?命がけってこと、ちゃんと分かってるの?」
「……」
「それとも波瀬くんは、アタシが聞いても駄目だって言いたいの?」
言い過ぎなんじゃない?
悠真だって、色々調べてくれたのに。
頭が痛くなるような息苦しい空気のなか、霧雨さんのその一言が、一気に重くのしかかる。
その言葉に耐えられなくなったのか、悠真が机を勢いよく叩いた。
「だから違うんだよ!」
霧雨さんが驚いて目を見開く。
「俺だって死にたくねぇし、そいつのせいで足止めも食らって、本当に迷惑してんだよ!助かりたいけど方法がないんじゃ、何もできないんだろ!?俺だって聞きてえよ!!」
怒りのこもった声が、鼓膜を酷く震わせた。
壁のように続く沈黙のなかに、自分の心臓の鼓動が聞こえている気がする。



