──『悠真くんを、幸せにしてあげて?』
『……っ』
汐見さんは、私のところに悠真が来てくれることを、願ってくれたのかな。
悠真が好きだという気持ちを押し殺したまま、汐見さんは死んでしまったのかもしれない。
……ねぇ、悠真。
もし、君がこれから生きる世界を、
選ぶことができるなら。
もし、君がこの先生きるかどうかを
決めることができるなら。
隣にいた時間や、
どれだけ距離が離れているとか、
「そんなのどうでもいい」って、
次は真っ直ぐな笑顔で、笑い飛ばして──
……私のいる世界で、生きてくれますか?



