茶封筒を二つ折りにしたものだった。ポケットに入れるのも嫌だし……手で持っておこう。
立ち上がって、地面に起きっぱなしにしていた卒業証書を持ってその上に重ね、左手に持つ。
「でも、夢が覚めたら無くなってるんじゃ……。そしたら、意味がないのに」
私がそう言うと、悠真は何を思ったのか、
「まぁ、いいから。俺が覚えてなくても、夏仍が覚えててくれたらいいんだよ」
と適当に流すような感じに、呟いた。
「……えぇ?でも、私が覚えてても……」
私が覚えてなくて、悠真が覚えてたとしたら?…………って言っても、私が持ってること自体を忘れてしまったら、もとも子もないか。
私が手紙を返そうとしたけれど、悠真の体は透けていて、手に戻すことが出来なかった。
まだ「良いよ」とも言ってないのに……



