爆発まで残り5分となりました

悠真は、途端に表情を暗くした。



「三階の女子トイレ。……でも、内側から鍵をかけてるから入れないんだ」



「ドアを破ったらいいじゃない」



霧雨さんって案外斬新だなぁ……。悠真は「あのなぁ」と呆れた風に言った。




「破るって、そんな簡単にぶち抜けるようなドアじゃないだろ」



「それはそうだけど……。波瀬くんは助かりたいって思わないの?」




私は何も言えずに、ただ二人の会話を聞いているだけだった。


なんとなく、空気が重くなっていくような感じがする。



「お、俺だってシオミって奴に頼みに行ったけど無理だったんだぜ?他のクラスのやつも駄目だってのに……どうしろっていうんだよ」



「悠真……」




悠真も真剣に悩んでいる。



霧雨さんの答えが正しくないとは言い切れない。ドアを破ることがいけないとは決まっていないから。