「初めてでも……優しくしてくれた悠真が、凄く近くにいたから。本当は遠くにいる存在だって気付かないで、私は当たり前だと思ってた」
全ては必然なんかじゃない。ただの偶然。
当たり前だと思っていたことも、当たり前なんかじゃなくて。そんなぎこちない距離をおいて過ごしていた時も、悠真は普通に接してくれた。
でも、もう……。
そんな時間は、とっくに終わってしまっていて。後からわかる、数えきれないほどの数の、後悔。
私達ができることは、夢が覚めるのを待つだけ。
「……それから」と、私が言いかけた時。
悠真が私から離れて、立ち上がった。そしてそのまま背を向けて、振り返ることなく、言う。
「……もう、いい。俺のせいでそんな思いをさせたなら……全部。俺が悪かった。ごめんな…………」
悠真の声は、今までよりずっと暗かった。



