たとえどんなに遠く離れていたって、溝ができるぐらい大きな時間の差があったって。
この日この時間。確かに私たちは──。
悠遠(ゆうえん)という高い壁を越えて、こうやって手を繋ぐことができたんだ。
「悠真が少し前に、卒業したい、って言わなかったとき。私は平気で聞き流して……悠真の気持ちを、ちゃんと、考えてあげられなかった」
後悔ばかりだった。
私はどこまでも自分勝手で、知らぬ間に、自分で自分の首を絞めていた。
悠真の背中に手をまわすふりをしていたから、疲れた手が、だらんとアスファルトの上に落ちる。
「ひとりにしないって、約束してくれたときも…………本当はすっごく嬉しかったって、言えなかった」
群青色の空を割る亀裂が、ベキベキと変な音を立てて、大きくなっていく。



