「……そうだね」



校門に寄りかかって、私も呟いた。




悠真の声の響きが、とても綺麗だった。透き通った水のような、真っ直ぐ地面に落ちていくビー玉のような。



でも、それはどこか悲しくて、威勢のようなものが感じられなかった。




それもそうかもしれない。だって、あんなに色んなことがあって、きっと……悠真も疲れているんだ。





「どこか座る?」


「……」



私が声をかけても、まるで聞こえていないようだった。その目は、どこか遠くを、ずっと見ている。



悪かったかな……こんなときに。




「え……と、別に嫌ならいいんだよ。……何か、見てると疲れてるみたいだったから、つい……」



「───夏仍」




悠真が、突然声を発した。