生徒玄関前に着く。
息が切れていて苦しい。心臓がバクバクと音を立てて激しく脈を打つ。
ふと、ドアの前に、少し前まではなかった教壇がひとつ、置いてあることに気付く。
「悠真、どうする、の?」
途切れ途切れに聞くと、悠真がポケットから白いカードのようなものを出して、言った。
「……とりあえず、あそこに行こう」
二人でそこまで歩いていくと、教壇の上に、カードらしきものを入れる木の箱があった。
悠真がその木の箱にカードを入れると、数秒後、短い音楽の後、放送のアナウンスが鳴り響いた。
〈ピーンポーンパーンポーン〉



