爆発まで残り5分となりました


悠真にとっては、どれほど悲しい別れなのかなんて、分からなかった。



好きになったひとが、先に遠くにいってしまう気持ち。




私よりも、ずっと……辛いんだよね。




悠真はまっすぐ前を見つめて、走った。隣で颯爽と地面を踏んで駆ける姿に、見とれそうになった。




どんな気持ちなんだろう。



その瞳の奥が知りたい。私は、悠真の気持ちに、少しでも寄り添ってあげたい。





星が流れた。



暗闇が揺れる。体の揺れに合わせて。

星が揺れる。彼の瞳の中で。






たとえ、数えられないぐらいの短い時間でも、君の気持ちが知れたとしたら───



私は、後悔なんてしないのに。




……諦められるのに。