悠真にとっては、どれほど悲しい別れなのかなんて、分からなかった。
好きになったひとが、先に遠くにいってしまう気持ち。
私よりも、ずっと……辛いんだよね。
悠真はまっすぐ前を見つめて、走った。隣で颯爽と地面を踏んで駆ける姿に、見とれそうになった。
どんな気持ちなんだろう。
その瞳の奥が知りたい。私は、悠真の気持ちに、少しでも寄り添ってあげたい。
星が流れた。
暗闇が揺れる。体の揺れに合わせて。
星が揺れる。彼の瞳の中で。
たとえ、数えられないぐらいの短い時間でも、君の気持ちが知れたとしたら───
私は、後悔なんてしないのに。
……諦められるのに。



