爆発まで残り5分となりました

そして遅れて聞こえてくる、奇声。



「悠真アアアア!!」轍が叫ぶ。



悠真が足を止めると、轍はまた叫んだ。今まで心のなかに溜まっていたドス黒い塊を、吐き出すように。





「お前を、呪うッ!!この先も……誰かが誰かを恨み続ける限りッ、復讐は終わらないィッ!!!」



「……」




肩を上下させて、轍が顔を熱くしていた。汗をぐっしょりとかき、轍は「フー、フー」と息を切らせている。






悠真はそんな轍を無視するように、振り返って、小さく微笑んだ。






「………ありがとな、優美。

最後まで、頑張れよ────」





汐見さんが、唇を震わせる。遠くからでも分かる。汐見さんは泣いていた。




涙で反射した光は、星のように儚く、地面に当たることなく消えていった。