爆発まで残り5分となりました


今から轍から取り上げる?


いや、きっと……それしかない。




私が意を決して足を前に出す。と、その時だった。





悠真が「ふっ」と鼻で笑って、口角をあげた。そして、何をするのかと思いきや。






「……残念だが、それは間違いだ」




そう言い張った。



間違い?でもあの時、悠真の手から確実に轍に渡したはず……




「は?」と、轍が睨む。悠真は額に汗を滲ませながら、答えた。








「お前が持ってるのは───俺が事前に用意していた偽物だよ」






それだけ言うと、悠真は私の手を引き、向きを変えて走り出した。