悠真が、私の手を取る。
「終わらせよう」
涙混じりの声でそう言うと、悠真が私の手を強く引いた。
横から受けた光で、悠真の綺麗な顔の輪郭が、照らされる。
「悠真……」
カウントダウンは始まっていた。
デジタル数字で表された秒数が、徐々に減っていく。回りの光が、機械の内側から文字を映す赤の光を、風に溶かす。
「……まさか、お前ごと……自爆する気かッ!俺を殺せば、学校から出られない!!ククッ……いいのかよ」
汐見さんに掴まれながらも、轍は身を前に出してからかうように笑った。
……でも、それは本当だ。
轍からカードを奪わなければ、私達は校舎からは出られない。



