爆発まで残り5分となりました


「汐見…………優美ッ……!」



汐見さんは轍にしがみついて、離れなかった。轍の動きは封じられ、黒い霧も消えていく。





「……汐見っ!」




悠真が叫ぶと、汐見さんの声が、直接私たちの心のなかに聞こえてきた。




───「悠真くん、夏仍ちゃん。巻き込んじゃって……本当に、ごめんね」





「そんな……こと」




悠真が唇を噛み締める。


最初から分かっていたみたいに、汐見さんは苦笑いを浮かべていた。




───「ゲームを終わらせて。私はもう、そろそろ終わりにするから」




"終わり"、という言葉が、何度も頭の中でエコーした。それは、汐見さんの最期を、意味しているようで。




「待ってよ。まだ、時間が……」