爆発まで残り5分となりました


轍は起き上がって、私に目を向けた。





「見ぃつけたァッ……!!」




そしてそのまま、私めがけて飛びかかってきた。もう、逃げる余裕なんてなかった。







「夏仍、立て!早く逃げろッ!!」




悠真の声が、耳から耳に抜けていく。




私はバカだ。最後の最後まで、本当に、誰の気持ちも理解してあげられなかった。






ねぇ、轍。




私のこと、ウザい奴だ、って思ってたのかな。


どこまでも自分の邪魔をしてくる最低な奴だって思ったかな。



それでも、いいと思う。轍といられた時間を、私は許すよ。憎んだりしない。



轍は、──大切な仲間なんだから。