爆発まで残り5分となりました



「夏仍!?」




悠真が驚いて、反射的に振り返る。




轍が瓦礫を這うように登り、私の前の廊下に足をつける。




あまりの恐怖に、体が言うことをきかない。腰を落としてしまい、逃げることができなかった。





「……い、や…………っ」





息が苦しい。心臓が破裂しそうだ。





悠真が怒声に似た声で叫んだ。




「轍!?クソッ……まだ生きてたのか!!」




前の轍とは明らかに違った。


数歩たたらを踏み、黒い霧を口から大量に吐いていた。




「あ、……あ……ぁ…………返せ…………命を……声を…………返せ……えぇ…………ッ!!」