冷たい声が聞こえて、そこには───
「ゆ、悠真……」
肩に鞄をかけた悠真が立っていた。
「さっさと行けよ。お前ら、ここに用があって来たんじゃねぇんだろ?」
曇りのない真っ直ぐな目で、悠真はキヨシの隣まで歩いてきた。
「さすがに、お前を許す気にはなれねぇけど。今日は暴力は勘弁しておいてやる。
それと……俺、さっき、凄い情報掴んだんだ。教えてやってもいいけど。その代わり、二度と俺の仲間に手を出すな」
「な、何だよ。教えないとタダじゃおかねぇぞ!」
悠真の気迫に、キヨシは押されていた。
「三階に行ったら騒ぎになってるから、そこで聞け、ってこと」
「は?騒ぎ?」
キヨシが首をかしげると、悠真は霧雨さんと轍を起こした。
「……ま、嘘かどうかは自分で確かめろ。俺らは行くからな」



