でも、そんなこと……あるわけない!
「私は……悠真がそんなことしないって知ってる。バカにしないでよ!」
自然と声が出て、私は怒鳴り付けていた。
キヨシは舌打ちすると、私の前に来て私を睨み付ける。
刹那、空気を切るように拳を振り上げた。
ゴッ!
反射的に目を瞑った瞬間、目の前で鈍い音が響いた。
「轍!アンタ何やって……!」
霧雨さんの声が聞こえたと思って、ふっと目を開けると。
目の前で、轍がお腹を押さえてうずくまっていた。
「はっ、お、俺は知らねぇぞ!お前らみたいなクソのチームなんて、早く死んじまえばいいのによぉ!」
「──お前、いい加減にしろよ」
階段から見えた、真っ赤にそまった靴下。



