爆発まで残り5分となりました

「……は?波瀬くんがそんなことするわけないでしょ!」



霧雨さんが声をあげて、周りの空気が震えた。同時に、キヨシは舐めた表情で轍に近づく。



「バラバラになってクラスに隠れたやつらがどうなるか、知ってるか?


───全員道連れで殺されるんだよ!」




「お前、バカ言ってんじゃねぇよぉっ!」




轍がキヨシの胸ぐらを掴みあげた。



キヨシの後ろに隠れていた女子が、ヒソヒソと話しながら私達を笑っていた。




「馬鹿はそっちだろ!


────お前、さっきそいつを突き飛ばして逃げようとしてたじゃねぇか!!



ゲームが始まる前から裏切って、こんなに不幸なチームにしたのはお前だろ!」




キヨシの一言で、辺りが静まり返る。



轍は瞳を大きくして、掴んでいた手に力を込める。……でも、私は。



霧雨さんも、歯を食い縛ってキヨシを睨み付けていた。