───そう思っていたとき、だった。
汐見颯斗の前まで少女が来たとき、汐見颯斗がふいに何かを呟いた。
「正し……かった。俺は……ずっと…………殺し……た…………………な………っ」
「お兄、ちゃん……?」
その瞬間、汐見颯斗の口から咳と共に大量の血が溢れた。
それはゴボゴボと血を飲んでいるようにも見える。口から出た真っ赤な血が、廊下の赤い海と混ざり合う。
「…………騙さ…………れ……たん……だ」
血の海を口に抱えながら、汐見颯斗が必死に声を出す。
あまりの衝撃的な出来事に、声もでなかった。ただ、見ているだけ。



