「分かった。……ただし、俺が合図したら、これを持って一斉に逃げろよ」




悠真がそう言って、なにかをポケットから取り出した。




それは前に一度、一人の女子生徒から貰ったもの。白色の、カード。





「これ……って、ヒントカード?」




私が聞くと、悠真は頷く。



「出口の鍵みたいなもんだよ。一様、轍に預けておく。三人でこれを持って、昇降口から出るんだ」




カードを貰った轍は、不思議そうにカードをじいっと見ていた。









そしてその後、悠真の指示で廊下に出ることになった。



汐見さんのお兄さんが来る。そして、そこで決着がつく頃には、私達は校舎から出ているだろう。




……思い返せば、本当に色々あったな。