いつまでも、馬鹿じゃなかった。
山橋の目には、この先のあるはずのない"未来"が、映っていた。
「そうでもしなきゃ、悠真たちに先を越されるだろ?」
「……そんなに山橋には期待してない」
「俺も期待してない」
あっさり返されて、思わず笑ってしまった。それでも、不安だった気持ちが徐々に薄らいでいるから、不思議だ。
「期待してない同士がどうやって付き合っていくんだか……」
「期待してないから、余計に楽しみになるんだろ?この先がないなんて、決められたわけじゃない。もしかしたら、奇跡が起こるかもしれないんだ」
「奇跡ねぇ……」
はぁ、とため息をつくと、山橋がムッとした声で言った。



