*** 「何だよ……天国って」 机に伏せていた山橋が、私に向かって呟いた。 あれから────夏仍が行ってしまってから、もう何分経っただろう。 「山橋……聞いてたの?」 私が尋ねると、山橋は「はぁ」とため息を口にして、頬杖をついた。 「まぁな。……つーかさぁ。俺がいつお前に告ったって?嘘つくなよ」 「夏仍の背中を押すには、あれぐらい言わなきゃいけなかったんだもん……」 あれは嘘だ。 あの馬鹿悠真が夏仍を好きなのはお見通し。けど、肝心の夏仍が引っ込み思案だから、背中を押す必要があった。