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それからすぐのことだった。
廊下の向こうから、複数の人影が現れたのは。
徐々に近づいてくると、その正体が分かった。他のクラスのグループだ。
「あぁ?お前ら、何でこんなところにいるんだよ」
リーダーと思われるいかつい顔をした男子生徒が、轍の前に立った。
「悠真を待ってるんだよ。アイツが忘れ物したって取りに行ったからな」
「は?悠真ぁ?そういや、お前らのチームってアイツがいたのかよ」
「それが悪いか」
轍の目が冷たくなった。
「あー、アイツさ。確かさっき、三年のクラスん所で見たな」
「それ本当?キヨシ」
それを聞いていた霧雨さんが、二人の会話に口をはさんだ。



