爆発まで残り5分となりました


「柚希……」




柚希がまた、私の前を通った。



今度は顔を見せないように、すっと目の前を通りすぎる。









柚希の声が、とても小さく聞こえた。目の前の肩が、小刻みに震えている。



耐えられなくなったのか、柚希は振り返ってそのまま私に抱きついた。



結ばれたポニーテールが、風のない空間でさらさらと揺れる。





「それと…………最後なのに、上手に笑ってあげられなくて、ごめん……っ」




「そんなこと、ない……」




「あっちの……世界に行って、もし山橋がいたら……っ、返事、返してくる」





誰よりも辛かったのは、私じゃなくて柚希だった。一人になる苦しみに、ずっと不安を抱えていたんだ。