そして目の前の席には、真っ白のカッターシャツを身にまとう悠真が、机に伏せていた。



小さな寝息も、聞こえてくる。



悠真がわざわざ、掛けてくれたんだね。



私は席をたって、悠真の背中に学ランを被せると、そのまま汐見さんの所に向かった。





「星、きれい……」




汐見さんが息で窓を曇らせて、言った。





一つ席を挟んだ隣で、私も空を見た。


少し前に見た時とは、何も変わっていないように見えた。




静かな教室。星が今にも、「きらきら」と音をたてそうなぐらい、輝いている。




「悠真くん、ね。ちょっと前までは無口だったんだよ」



「え……?」



悠真が……無口?