私はゆっくりと、悠真の所に向かう。 「痛かった、よな…………ごめん」 悠真が謝る。いつもより、暗くて、俯いた顔で。私の目を、見ようとはしなかった。 「必死になって助けようとしてくれたのに。……私も、ごめんね」 「……」 悠真の温もりは、指先まで伝わってきたよ。ただ、もう、私が諦めてしまっただけなんだから。 「全然、痛くなかったよ」 「……あぁ」 悠真が顔を上げる。 涙が二人の目に滲む。この時私は、大きな嘘をついた。 痛くてたまらなかった。心もこの傷も、体も、全部が痛くて、辛い。