爆発まで残り5分となりました

「波瀬くん……そんなに力入れたら、夏仍が……っ。波瀬くんっ!!!」




朱美の声がやっと届いたのか、ハッとして、悠真の手が緩む。スルスルと、血を吸った青の布が地面に落ちた。




自分の手とそれを、何度も交互に見る悠真を、痛みを忘れて私は見ていた。






どうしたん……だろう。





汐見さんが何かに気付いたようで、自分のポケットから、ティッシュとハチマキを出す。そして、




「悠真くん。後は、私がやるね……」




と、優しく語りかけるようにして、悠真の肩に手を乗せた。





悠真はその場に腰を落として、ぺたりと座り込む。朱美と轍が、駆け寄る。





「大丈夫?痛くない……?」




汐見さんが、ティッシュの上から優しくハチマキを巻いてくれた。