『たった今、三階の図書室がバクハツしました。死亡者は五名。
────引き続き、ゲームを行います』
ガチャッと音がして鍵が開き、霧雨さんが勢いよく引き戸を引くと。そこには……。
「……こりゃ酷ぇな。霧雨、平気か?」
口元を手の甲で押さえながら、悠真が目をそらした。
「私は平気……。佐山さんは駄目だと思うから、あんまり見ないようにして」
「じゃあ、夏仍は俺についてこい。さっきみたいに、あんまり周りは見るなよ?」
悠真に手を引かれて保健室から出ると、後ろから「ひぃぃ」という情けない声が聞こえた。
一人にされた轍は、「えぇっ!?俺は?悠真、ひでー!」と泣きそうな声を出して後を追う。
目の前の悠真の背中を追って歩いてはいるけれど、血の臭いが消えることはないし、地面を踏む度にペチャペチャと奇妙な音が鳴る。



