「目、瞑って!」
悠真に言われるがまま、固く目を瞑ると、傷口からシャッと音がして、ハサミが抜けた。
そしてまた血が流れ、カッターシャツに染みて、地面に溢れる。
カラン、とハサミが地面に落ちる音がした。
制服には穴が開いていて、そこから大きな円を描くように、黒いシミが広がっていく。
左手の手首の辺りに、刺し傷が一つ。悠真は袖をめくると、腕に巻いていたハチマキを取った。
そして傷口に当てて、強く締める。
血が止まってしまいそうだった。悠真は真剣になって、我を忘れている。
「悠、真…………っ、痛……いよ」
そう言っても、悠真は力を入れつづける。ぐっと、強く締め付ける。



