「……だよ、夏仍……だわらなくても、……ームなんだから、仕方が……よ」
朱美の声が、途切れ途切れに聞こえる。
何やってるんだろう、私は。正義感振りかざして、自分が正しいとでも思ってるの。
調子に乗らないでよ。
悠真が困ってるじゃない。
「分かって、る……」
分かってるよ……自分が悠真を。悠真だけじゃなくて、みんなを困らせていることぐらい。分かってる。
震える声で呟くと、悠真が言った。
「分かって……なら、何でそんな……と……うんだよ。夏……も、友達のやつ、……たら?」
ガァン、ガァンと波を打つように、痛みが強くなっていく。息が荒くなって、胸の辺りを押さえた。
悠真が鞄から筆箱を出す。



