「夏仍……」 朱美が私を見て、困惑した表情を浮かべた。でも、もう……迷わない。 私達は知ってしまった。 だから、後戻りはできない 。 今はただ、風のように駆ける彼の背中を、追いかけるだけ。 「行こう。私は……悠真を信じる」 強く地面を蹴って、私は走り出す。 後ろから続けて聞こえてくる足音に、思わず笑みが溢れそうになった。 全ては、彼の背中に託された。 そして物語は、 最後の教室(ラストクラス)へ───