「おーいっ!皆っ!!」
相談室の前にいる三人が、一斉に振り向いた。朱美、轍。そして、汐見さん。
すぐに予想はついた。汐見さんがきっと、悠真と同じように、二人を守ってくれたのだろう。
朱美が瞳を潤ませて、駆け寄ってきた。
抱きつかれた反動で、「わっ!」と声がでて、後ろに倒れそうになる。
「もう!心配したんだたからぁっ……!」
と、泣き叫ぶ朱美。
「ごめんね」と言って背中を撫でていると、徐々に、轍が近付いてきた。
何をするのかと思いきや、悠真の前で立ち止まって、呟いた。
「話は聞いたぞ……悠真」
汐見さんが話してくれたのだと気付くまで、そう長くはかからなかった。



