爆発まで残り5分となりました


私が泣きそうになりながらそう言うと、悠真がああ、そういうことか、という顔をして、ため息を吐いた。





「お前は撃ってないんだけど……」


「へ?」



私を、撃っていない?




「撃ったのはあれ」と悠真が言って、使われなくなった古い木の看板を指差した。




よく見ると、小さな黒い穴があいている。




「……なんで俺が、お前を撃たなきゃならねぇんだよ。このバカ」




ストレートに言われて、ある意味泣きそうになった。……でも、怖かったんだもん。




「急に銃向けられたから、もう……殺されるんじゃないかって、思った……」




泣き出す私を宥めるようにして、悠真が頭を優しく撫でてくれた。




「……ったく。俺の方がビビったんだからな。真逆の方向に撃った途端に、夏仍が失神して…………めっちゃ焦った」