私が泣きそうになりながらそう言うと、悠真がああ、そういうことか、という顔をして、ため息を吐いた。
「お前は撃ってないんだけど……」
「へ?」
私を、撃っていない?
「撃ったのはあれ」と悠真が言って、使われなくなった古い木の看板を指差した。
よく見ると、小さな黒い穴があいている。
「……なんで俺が、お前を撃たなきゃならねぇんだよ。このバカ」
ストレートに言われて、ある意味泣きそうになった。……でも、怖かったんだもん。
「急に銃向けられたから、もう……殺されるんじゃないかって、思った……」
泣き出す私を宥めるようにして、悠真が頭を優しく撫でてくれた。
「……ったく。俺の方がビビったんだからな。真逆の方向に撃った途端に、夏仍が失神して…………めっちゃ焦った」



