───夏仍…… 「夏仍っ!」 いきなり聞こえてきた大きな声に、ハッとして私は目を開いた。 痛みはいつになっても来なくて、ただ、冷たいコンクリートに皮膚が当たっている事だけが分かった。 もしかして、もう、死んだのかな──? 幽霊になったのかもしれない。そう思った瞬間、ハッとして起き上がって悠真から逃げるようにして、後ろに下がった。 「……裏切った、の?」 「え……?」 悠真が訳が分からないと言った風に、首をかしげた。……悠真のせいで。私は…… 「私を撃ったの?……殺したんでしょ?」