『バクハツまで、残り五分となりました。これより、生徒の退場を行います』
校内放送は、それで終わった。
そして、それからすぐにどこからか声が聞こえてきた。遠くからなのに、何故か耳に障る声。
退場?そういえば、放送でも確か、教室に入っていないといけないとか……。
私がペンを持って向きを変えた、その直後にそれは起こった。
一人の女子生徒が、いつのまにか顔面蒼白で保健室のドアにへばりついていた。
そして、ドアを破るように叩きながら、悲鳴に似た叫び声で必死に訴えかけてくる。
「あああ開けてえぇえっ!来てるのおおぉっ!!早くここに入れて!!ドアを開けてぇっ!!!た、助けてえええっ!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドン!



