爆発まで残り5分となりました



恐怖で声が出ない。

体の力が抜けて、膝から地面に落ちる。






震える私の前に立つようにして、悠真が一歩、前に出る。



何をする気?……まさか、悠真は。



嫌な考えが頭をよぎって、私は力を振り絞って、掠れた声で叫んだ。




「やめて……悠真を、殺さないで……!」




死んじゃう……殺される。



確実に自分の死が決まった気がして、私がぎゅっと目を瞑った、そのとき、だった。




はぁ、と悠真がため息を吐いて、制服の胸ポケットから、黒い何かを取り出した。



そしてそれを、後ろにいる私に向けて、大声を張り上げた。








「……波瀬悠真、除外対象だ!俺がこいつを殺す!──お前らは帰れ!!」