砂利を踏みながら、私は技術室に入っていった。



普段は立ち入り禁止になっているから、誰も入らないのだけれど。入ってみると、案外広い。




壊れたハードルや、文化祭ように使ったであろう古い小道具。



隅から隅まで埋め尽くすものは、からの段ボール箱がほとんどだった。





一つだけあった小さい窓から、月の光がこれでもかというほど漏れている。




息を吐くと、少しだけ白く濁った。



ホコリっぽくて独特な臭いが立ち込める部屋の中で、私は一つの影を見つける。




その制服は、暗闇よりも真っ黒で、
彼は、体育座りで膝に顔を埋めている。




いつになっても大きくて、

追いかけてきた背中があった。







「ここに、いたんだね……」