階段を下り、生徒玄関前の扉の前。




──ここじゃない。後ろにいる。




聞こえたかも分からないような、誰かの声に従いながら、私は振り返った。




そしてやっと、私は理解した。





今では多少しか使われていない、地下の技術室。真っ暗闇のなかで、ドアが微かに開いていたことに気づく。




今では新しい技術室が出来て、物置場になっている教室。




三段ほど、小さな段差を下りると、地面は固いコンクリートになっていた。



技術室の扉は非常に重く、固い。



ぐっと力をいれて手前に引いくと、「ギィィ」と変な音を出しながら、扉がゆっくりと開いた。



「……」



……ここに、いるのかな。