爆発まで残り5分となりました




「……霧雨、落ち着け。今のはこっちが悪かった……ごめん、悠───」




轍が朱美の手を引っ張って、地面に座らせた。その様子を見ているだけで、悠真は怒りを覚えたようだった。




「轍もだッ!……お前も、いい加減にしろ!!無茶苦茶なことばっかり言うな!俺に押し付けるな!……お前のせいで……」




「……悠真、な、何言って」




怯んだ轍を睨むと、今度は隣にいた汐見さんにまで、暴言を吐く。




「お前のせいで台無しだよ!!全部、こうなった!全部壊されたんだ!!」





そしてついには、───




真っ黒に染まった目。激しく上下を繰り返す肩が、同時にこちらを向いた。




「夏仍も、……俺の知られたくない所まで土足で踏み込むな!!自分の意見なんか……まともに言えない泣き虫のくせにッ!!」




悠真の声が、武道館を震わせた。