私の左手の廊下の突き当たりには、保健室がある。来た道を戻れば……武道館もあるし、まっすぐ進めば、会議室。
しばらく沈黙が続き、轍が小さく呟く。
「保健室にでもいくか?とりあえず、場所は確保していかないとな」
「そうだぜ。俺は轍の考えに一票だな」
確実に生き延びるためにも最優先なのは、場所の確保だ。
轍の考えは間違ってはいない。
「なら保健室に行くわよ。立ち止まってても、時間は止まらないから」
「分かった。行くぞ、夏仍」
保健室の中に入ると、ベッドの上には爆弾が一つ置かれていた。
───ガチャ。
ドアの鍵がかかり、私たちは閉じ込められた。移動するなら、まだ時間はある。
「佐山さんと波瀬くんは、爆発に巻き込まれなかったの?」



