爆発まで残り5分となりました


「ちょっと!颯斗!静かにしなさい……皆が見てるのよっ……」



「う……うぅ……っ」




お母さんと、お父さん。



高校一年の兄は制服姿で。親は二人とも、スーツのような黒の服を着ている。







「……なぁ、優美。聞いてるか?……俺、お前が卒業して、高校一緒になれるって……ずっと楽しみにしてたんだぞ。なのに、なんでお前が急にいなくなるんだよ……!」





いなくなってなんかない。


私はここにいる。なのに、お兄ちゃん。どうして気づかないの?





何か大切なことを忘れている気がして、胸の奥が少しだけ痛んだ。



私、一体何を忘れてるのかな?




「お兄ちゃん?私、ここにいるよ?」




呼び掛けても、振り向いてはくれない。