爆発まで残り5分となりました


「……お前!悠真に何やって!!」




轍がシオミさんを引き剥がそうとしているけど、シオミさんは瞬きもせずに、憎悪に満ちた目で悠真を睨んでいた。





「ちょっと!波瀬くんから離れて!!お願い!!シオミさんっ!!」





朱美が訴える。


それでも、手は離れない。



それどころか、逆に締め上げるようにして、力が籠っていく。青い血管が、少し浮き出て見えた。






「私にはお兄ちゃんしかいない。もう騙されない───騙されないっ!!」





ぎゅっと首筋に爪をたてて、シオミさんが怒声をあげた。




「ぐぁっ」と、悠真の口から、苦しそうな声が漏れた。



やめて……やめてよ!


悠真が……死んじゃうじゃない。