爆発まで残り5分となりました



吸い込まれるようにして、溢れた涙が地面に消えていく。




「迷惑なら、どんどんかけてくれてもいいからな。意見だって持っていい」




「悠真……くん」




シオミさんは今にも崩れそうな足を必死に奮い立たせて、悠真を見ていた。




悠真はそんなシオミさんに向かって、そっと自分の手を差しのべる。



カタン、と床にハサミが落ちた。






「ずっと、気付いてやれなくてごめんな。これからお前も、俺たちの仲間だ」





シオミさんは涙を呑み込んで、今まで見たことのない、優しい笑みを浮かべる。




悠真の手に自分の手を重ねると、シオミさんは、言った。






「───良かっ、た」