え?
いくらなんでも……それは卑怯じゃない?だって、シオミさん……まだ何も悪いことしてないんだよ。
「ちょっ!!やめなさいよ!シオミさんを離してあげて!」
朱美の声も届かない。悠真も、轍も必死にシオミさんを助けようとしているのに……。
「おいっ!何もそこまでやらなくてもいいだろ……そんなことしてもシオミは─── 」
「うるせえッ!!お前らは黙ってろぉッ!」
泣き叫ぶ男子生徒の顔は、狂ったように笑っていた。
「コイツのせいで、何人死んだと思ってるんだッ!!お前らは、コイツを殺さなくていいのかよッ!!!」
「目的は捕まえることでしょ!?何も殺さなくたっていいじゃない!」
その瞬間、その男子生徒の握り拳が、シオミさんのみぞおちに力強く振り下ろされた。
「うぐ……っ!」
「どうしたァ!味方はいるんだろ!!先生だろうがお前だろうが、相手してやるよ!!人殺しには変わりの無いくせに!!」



