爆発まで残り5分となりました



非常階段に続く右手にある廊下の影に、人の形がうっすらと映る。




恐る恐る顔をあげていくと、廊下の奥には、知らない顔があった。





一度も会ったことがないんだと思う。すぐに誰かはわからなかった。






……違うクラスの、子なのかな?



透き通った黒い目に、二つ結びでお下げの髪。お腹に巻かれた爆弾と……、見慣れない制服。





この学校の物じゃない。




この学校の……───ものじゃ、ない?





「シオミさん……なんですか?」



「……!!」






私がそう言うと、その子はハッとして、走り出した。非常階段の方へ、──奥へ。