爆発まで残り5分となりました


私はそれをポケットの奥まで押し込むと、扉を押して悠真に続いた。






「……見るんじゃねぇぞ」




ギャラリーの前に出て壁がなくなった時、悠真が呟く。



「何を?」



そう言って、地面に視線を落とすと……。視界の隅に体育館が映って、私は思わず足を止めてしまった。



床に敷き詰められているシートには、赤いしぶきがある一点を中心にまかれていて。



その中心にあるのは、腰から上のない、スーツの張り付いた肉の塊。



壁に当たって落ちたであろう奇妙な物体は、山田先生の頭部だったのだ。




「う、っ……」



口のなかに酸っぱさが広がって、私は思わず手で口を押さえる。


今にも飛び出しそうな悲鳴を喉の奥で殺して、その場にしゃがみこんだ。



「は!?夏仍!?」