「よっ。あの時はありがとな。小南があたふたしてて、あんまり役に立ってなかったけど」
あの時……準備室の時か。
柚希がぷぅっと頬を膨らませて、ベシッと山橋くんを叩いた。
「……山橋ウザイ。せっかく夏仍に会えたのに、空気壊さないでよー」
と、言っている柚希を見て、やっと思い出した。
「あ、そうだ……!もっと話したいことがあるんだけど……時間がなくて。シオミさんを、手分けして探すことになってるの」
私がそう言うと、慌てて「ごめん」と謝る柚希。
それに山橋くんがつっかかって、何故か話がずれていく。
「ほら、やっぱり小南がウザイから、佐山も避けてるんだよ」
違います。避けてません。
そこでまた喧嘩になりかけた二人の間に手を入れて、私は尋ねる。



